日本人はいつから日本人になったのか
本書によれば、日本人、もっと詳しく言えば縄文人と、弥生人(つまり中国・韓国)の人々は遺伝的に別の人々である、という。なるほど、と頷ける仮説だ。日本の文化の根底に流れる「日本人のものの考え方」とは、したがって、その食生活と同様、縄文の昔から1万数千年、変わることなく受け継がれてきたものなのかもしれない。文字の輸入、『かな』の発明によって、それは日本文化として記録されるようになったが、それよりずっと前、縄文杉がまだ若かったころの人々の自然への畏怖の念と、いま私が氏神の杜の古木に抱く崇敬の念とに変わりはないと自然に信じることができる。 人の思考はその使用言語に左右される。文字は無くても話し言葉があればそれをしゃべる人々の文化は同一性をもつはずである。漢字を輸入はしたが、文化まで引きずられて中国風一色に染まらなかったのは、確固たる日本文化が既にあったからだ。 本書は、左翼史観に染まって眠っていた私の「民族の記憶」を呼び覚まし、過去の日本人の行動原理を日本人として素直に理解できることの素晴らしさに目覚めさせてくれた。日本人が本来知っておくべき、日本人の行動の軌跡としての歴史を、日本文化を継承していくために学びなおすときが来ている。
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